2016年12月16日

南陽

7417南陽の今後10年間を配当中心に占ってみる。
特に記載のないところは2016年3月期末の数字等を使用している。

建機・産機の販売、リース、レンタル。

産業機械事業が60.6%。建設機械事業が38.0%。砕石事業が1.4%。


1953年 西日本ベアリング株式会社を設立
1954年 商号を南陽機材株式会社に変更
1959年 東京支店を設置
1974年 株式会社共立砕石所を設立(現・連結子会社)
1989年 福岡建設機械株式会社(現・株式会社南陽レンテック)を買収(現・連結子会社)
1992年 商号を株式会社南陽に変更
1994年 福岡証券取引所に株式上場
1997年 株式会社南陽ディーゼルトウゲ(現・株式会社南陽重車輌)を設立(現・連結子会社)
2003年 浜村ユアツ有限会社を買収(現・連結子会社)
2003年 中国上海市に南央国際貿易(上海)有限公司を設立(現・連結子会社)
2010年 株式会社南陽クリエイトを設立(現・連結子会社、営業休止中)
2013年 共栄通信工業株式会社を買収(現・連結子会社)

【利益】
南陽の売上高と経常利益と売上高経常利益率を並べてみると(百万円)
2002年 28395、806、2.84%
2003年 30364、884、2.91%
2004年 37036、1273、3.44%
2005年 41021、1287、3.14%
2006年 36866、1220、3.31%
2007年 38850、1343、3.46%
2008年 39221、1253、3.19%
2009年 31031、295、0.95%
2010年 21897、101、0.46%
2011年 28527、731、2.56%
2012年 28667、737、2.57%
2013年 27401、888、3.24%
2014年 33229、1845、5.55%
2015年 33517、2062、6.15%
2016年 31702、1718、5.42%
2017予 31000、1800、5.81%
となる。
この手の会社でリーマンショック時でも黒字を維持してるのは素晴らしい。
そしてその2年を除くと、不景気だと売上げ300億円前後で利益率2%台、
好景気だと売上げ400億円前後で利益率3%台。
2014年以降の売上げ300億円台で利益率6%前後というのは、追い風吹きまくりの異常値だろうか。

【財務】
有利子負債は24.13億円。現預金が45.66億円。自己資本比率が47.7%。
レンタル・リースも商っててこの状態なら好財務と言っていいのではないか。
有価証券はハーモニックドライブシステムズを2.79億円分、協立エアテックを0.85億円分など、
計26銘柄で約9.4億円分を保有。
取引先あるいは取引銀行という事だが、他に「地場企業として連携強化」としてリンガーハット等も。

【配当政策】
「安定配当を維持しながら状況に応じて配当額の向上に取り組むため、
配当性向は連結純利益の25%程度を維持」という基本方針に2016年度から変更。それまでは20%。
そして「利益水準に関わらず安定配当として年間30円を維持。ただし連結純利益の範囲内」と。
実際の配当額と配当性向を並べると
2002年 14.5円、22.1%
2003年 14.5円、21.2%
2004年 20.0円記、18.7%
2005年 20.0円、17.7%
2006年 20.0円、17.8%
2007年 25.0円、20.6%
2008年 25.0円、21.2%
2009年 20.0円、102.0%
2010年 10.0円、55.6%
2011年 15.0円、22.6%
2012年 18.0円記、36.4%
2013年 20.0円、27.6%
2014年 30.0円、20.2%
2015年 39.0円、20.3%
2016年 40.0円、25.4%
2017予 44.0円、25.5%
となる。
リーマンショック時を除くと概ね配当性向通り。
利益水準によって減配は止むなしだが、無配は避けたいという感じが伝わってくる。

大株主は
1位 九州理研株式会社 5.86%←武内英一郎社長が代表取締役を務める
2位 武内徳夫 5.04%←創業者(現社長の父)
3位 西日本シティ銀行 4.77%
4位 三井住友銀行 4.75%
5位 自己株 3.73%
6位 株式会社福岡企画 2.92%←武内英一郎社長が代表取締役を務める
7位 長谷川猛夫 2.83%←創業者親族
8位 白江やす 2.79%←創業者の姉
9位 山崎梨影 2.79%←?
10位 武内禮次 2.77%←前社長(現社長の叔父)
となっており、4分の1ほどが創業家の身内で占められる。
そりゃ無配は避けたいだろう。


現社長の父方の祖父が炭鉱を経営してたそうで、南陽も祖業は炭鉱業である。
(因みに現社長の母方の祖父は、6474不二越の創業者の井村荒喜だそうだ)
http://www.fukuoka-keizai.co.jp/content/asp/fukuoka/detail.asp?PageID=21&id=373&word&k_id=5
炭鉱からポンプやモーターなどの産業機械の取り扱いとなったらしい。建機事業は遅くて1957年から。
そしてITバブルで産機需要が伸びて業容拡大。バブル崩壊して建機中心に戻る。
近年はスマホなどのおかげで再び産機中心に・・・という流れらしい。
こんな感じで建設の景気が良ければ建機に力を入れ、
ハイテクの景気が良ければ産機に力を入れ・・・・・という風に、
手堅くバランスを取りながらうまく生き抜いてきたのが南陽だ。

10年後の配当。
上述の通り、建設とハイテクという全く毛色の違う業種を二本足として生きてきた会社。
このバランス経営が変らないのであれば、今後も業績に大変動は無いのではないか。
通常時だと、二本足のどちらかが好調であれば、どちらかが不調で足を引っ張るからだ。
その通常時ならEPS70〜120ぐらい。どちらも好調ならEPS160ぐらい。どちらも不調ならEPS20ぐらい。
「配当性向25%で最低30円で純利益の範囲内」という還元方針だと、
EPS70〜120なら30円配当でこれが基本になる。
そして好景気で40円配当、不景気で20円配当。
20円、30円、40円と出たが、果たして10年後にどれになってるかはわからない。
(今から2〜3年後なら、インフラ投資とIoT投資で「どちらも好調」になりそうだが)
(実際、今期の44円配当は神風的な追い風だと思う)


この会社四季報(2004年夏号)の記事や
nannyou1.jpg

http://www.fukuoka-keizai.co.jp/content/asp/fukuoka/detail.asp?PageID=21&id=32&word=&k_id=1
この記事によると東証二部上場も意識してるみたいだし、株価も楽しめるかも。
(2004年の記事で「5年後の東証二部上場に向けて死角なし」ってのは、今見るとフラグ感が満載だなぁ・・・)




posted by 冬葉ツトム at 16:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 保有銘柄 | 更新情報をチェックする
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