2014年11月21日

日成ビルド工業

1916日成ビルド工業の今後10年間を配当中心に占ってみる。
特に記載のないところは2014年3月期末の数字等を使用している。

プレハブ建築販売・リース、立体駐車場販売・メンテナンス。
売上げのうち、システム建築事業が45%、総合建設事業が35%、
立体駐車場事業が19%。

1961年 森岡弘氏が「日成組立式ガレージ」の製造、販売を開始
1963年 建築土木工事の請負に進出
1964年 組立ハウスの製造、販売を開始
1978年 大阪証券取引所市場第二部に株式上場
1981年 金属サイディング事業へ進出
1982年 リース事業へ進出
1985年 立体駐車場事業へ進出
1987年 リフォーム事業へ進出
1991年 大阪証券取引所市場第一部に株式上場
1996年 東京証券取引所市場第一部に株式上場
2007年 大阪証券取引所の上場を廃止
2012年 株式会社小澤建設を子会社とする
2013年 シンガポールにNISSEI BUILD ASIA PTE. LTD. を設立
    株式会社NB建設(旧:相鉄建設株式会社)を子会社とする
    株式会社NBパーキング(旧:東和工建株式会社)を子会社とする
    株式会社NBファシリティーズを設立
    株式会社NBインベストメントを設立
2014年 株式会社NBネットワークスを設立

利益。
2002年からの売上高と経常利益と売上高経常利益率を並べてみると(百万円)
33412、-681、-%
28264、-1886、-%
25601、347、1.36%
27048、251、0.93%
25671、576、2.24%
27078、771、2.85%
25116、-160、-%
24502、41、0.17%
18367、477、2.60%
17204、545、3.17%
41879、6436、15.4%
25487、1979、7.76%
41854、2490、5.95%
となる。
好景気なら黒字、不景気なら赤字という、
愚にも付かない経営を続けてきた会社だが、
3年前に突然利益が膨らんでいる。
もちろん、東日本大震災のプレハブ特需である。

財務。
有利子負債は約69億円。現預金が約49億円。自己資本比率が37.2%。
製造業・建設業と考えれば結構堅実な財務状況だが、
配当を賄える程ではない。

配当政策。
「財務状況や将来の事業展開等を総合的に勘案しつつ、
安定した配当を継続して実施」という事で具体性はない。
実際の配当額と配当性向を2007年から並べると
2円、20.2%
1円、赤字
0円、赤字
1円、28.6%
1円、27.8%
7円特、22.3%
5円、19.2%
7円、26.4%
9円予、28.3%
となってる。
2007年から書いてるのは、それまでが無配だから。
まぁ、配当性向20%〜30%を狙ってる様に見えなくもない。

大株主は
1位 日本マスタートラスト信託 8.8%
2位 日本トラスティ・サービス信託 7.8%
3位 自己株式 6.9%
4位 森岡インターナショナル 6.4%
1位と2位の信託口は殆どが投信と年金の保有。
4位の森岡インターナショナルは森岡篤弘社長の綾夫人が代表取締役であり、
もちろん創業家の資産運用会社。
これと自己株と10位の社長個人分の2.0%を合わせると15.3%。


と、まぁ、私の評価ポイントである「利益」は不安定。
赤字でも支払えるほど「財務」も良くなく、
無理な「配当政策」を取る程に社長が絶対的大株主でもなく、
当然の結果として配当も不安定である。
直近の好業績は特需だし。
という訳で、配当株としては大した評価も出来ない様な会社なのだが、
では何故買ったのか?
もちろん地震リスクヘッジ用としての意味合いもあるのだが、それだけではなく、
赤字と黒字を往復してた頃と、今は違うと思ってるからだ。
その辺は事業区分の移り変わりを見ると解り易い。

最後の赤字&無配だった2009年には事業区分と売上げ高全体に占める比率が
・建設事業(プレハブ建築。立体駐車場工事請負)74%。
・リース業(プレハブ建物のリース)19%。
・その他事業(立体駐車場のメンテナンス)7%。
と、あくまで建築工事主体でありメンテナンスはその他扱いだった。
しかしこの年、メンテを担当してた子会社の日成エンジニアリングを
本体に吸収した辺りから徐々に変り始める。

翌2010年には
・プレハブ建設事業が62%。これを細分し、販売部門が39%、リース部門が23%。
・立体駐車場事業が38%。これも細分し、販売部門が29%、メンテナンス部門が9%。
販売とリースとメンテナンスに区分を変更して、メンテを重視し始めた。
わずかだが全体に対してのリースとメンテの売上げ比も増えてる。

翌2011年には
・プレハブ建築販売事業が40%。
・プレハブ建築リース事業が26%。
・立体駐車場販売事業が24%。
・立体駐車場メンテナンス事業が10%。
と、更に意図がはっきりしてくる。
ここまでが震災特需発生前の推移であり、それまでのフロー中心から
リースとメンテというストックにも重きを置いたビジネスに変りつつある。

そして2014年が
・システム建築事業が45%。うち販売事業が30%、レンタル事業が15%。
・総合建設事業が35%。
・立体駐車場事業が19%。うち販売事業が12%、メンテナンス事業が5%、運営・管理事業が2%。
となった。
総合建設を除くと、レンタルで23%、メンテ運営管理で11%。


しかしだ。
いくらストックが増えてきたといっても大半は建築製造業であり、
所詮は水物ビジネスではないのか?
実はその辺の懸念も、これから変ってくる可能性がある見ている。
震災特需の大きさの陰に隠れてしまってる感もあるのだが、
2012年頃から日成ビルド工業は、単純な建設業から脱却して、
「土地開発」⇒「建設」⇒「運用」⇒「FM・メンテ」⇒「リニューアル」
のワンストップソリューションを志向している。(FMはファシリティ・マネジメントの略)
もしこの流れが順調に進めば、嫌でも運用・メンテのストックは蓄積される。

できれば・・・の話だけに終わってしまう事なく、日成ビルドは事業体制を整備した。
「土地開発」はNBインベストメント。8892日本エスコンとの資本業務提携。
「建設」は日成ビルド工業本体。小澤建設とNB建設の子会社化。
「運用」はNBパーキング(旧:東和工建の子会社化)。
「FM・メンテ」はNBファシリティーズ。9612ラックランドとの業務提携。
「リニューアル」は小澤建設とNB建設。
         8923トーセイの子会社トーセイ・リバイバル・インベストメントとの業務提携。
更に8591オリックスやGEキャピタルとの業務提携による駐車場事業拡大。
3443川田テクノロジーズの子会社の川田工業との営業協力体制。
9973小僧寿しとの資本業務提携による店舗開発・建設請負。
と、M&Aで自社体制を整えつつ、様々な他社との提携を進めてる。
これだけ他社との提携があれば、もう引っ込みが付かない。
少なくとも、ヤル気は充分に感じられる。
(小僧寿しは出店どころではなく、退店を進めなきゃいけないみたいだけど(^^;)
更に更に、海外は上海・シンガポール(からのマレーシアも)・
タイ(からのミャンマーも)に進出して、着々と駐車場ストックを拡大してる。


さて、10年後の配当だ。
会社中期計画では2015年にEPS31円、配当性向30%で9円配当。
2016年にEPS34円、配当性向35%で12円配当が目標となる。
計画は将来の話なのでもちろん実現するとは限らない。
しかし、進むべき方向がはっきりしてて、そのための体制も整えて、
既に実行に移してて、他社も盛大に巻き込んで、成果も少し出始めてる。
これなら実現する可能性はそれなりにあるのではないか。

株価が280円ぐらいなので、配当利回り4.2%。
前述の地震リスクヘッジ用途も含めて考えればもう充分と思って、
実はその先の10年後まではあまり考えずに買ってしまった(笑)
なので、10年後は12円配当+αで御の字。


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posted by 冬葉ツトム at 15:50 | Comment(5) | TrackBack(0) | 保有銘柄 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
10年後の占いシリーズ、、、久しぶりですかねえ
このシリーズ、、昔から興味深く拝見しています。
創業者一族7%弱ですかあ
創業者一族が、過去の栄華よアベバブルでもう一度、と
欲を出さないかが懸念されませんか。
Posted by たけ at 2014年11月21日 20:55
たけさん、こんにちは。
そこまで占うには私の水晶玉は小さ過ぎます(笑)
でも、不動産バブル発生の方はむしろウェルカムで、
懸念するとしたら破裂の方ですから、まだだいぶ先の話で、
バブってからゆっくりと考えれば良いんじゃないかと。
Posted by 管理人 at 2014年11月21日 22:29
すごい。。。
日成ビルドの行動力と、明快な文章を書かれる管理人さんが笑。
つい数分前に知った銘柄なんですが、大変勉強になりました。
わたしもいろいろリサーチしてみようと思います。
またおじゃまします!
Posted by ゆうこりん at 2015年11月09日 02:09
冬葉さんコンバンハ。

こちらのエントリで興味を持った日成ビルド、あれこれ見ていたんですが、2015年年初から春先にかけて外資勢がブン投げておりました。

-JPモルガン6.68→4.26%
-スパークス6.19→3.69%

5〜6月に価格がびよーんと300→400円に急上昇したときは

-ドイツ銀12.52→0%(!)
-日成ビルド9.45→5.61%(!!)

と大株主が投げまくってまして、これはもう

「400円がフタや!」

とみんな思ってるっつーことだろうな。。。と汗。

あとはまー細かいんですが

-石川県の会社なのでオリンピック景気に乗れなそう。。。
-借金80億>現金45億が気になる(借金=悪ということではなく、保有してしまうとチェック項目が増えるので面倒くさい。。。)

というのも思いました。

冬葉さんは超長期でお考え&日成ビルドは保有銘柄のごく一部かと思いますので細かい値動きや株主の異動にはあまりご関心がないかもですが、NISA用(配当も大事だがキャピタルもある程度狙いたい)に検討していたわたしは微妙な気分になり、当面の買いは見送ることにいたしました。最近ドイツ銀がちょいちょい空売りもしてますし。ますます上値は重たい。。。

11/27に開発用地取得のIRが出ていたので、今は投資の時期なんでしょうね〜。ほんとにやる気はビンビン感じますが、実績として現れてくるのはかなり先っぽいです。

がっつり下がってくるか、400円をブレイクするような高成長が見えたら再検討しよーかと思っております。

280円で買えた冬葉さんがうらやましー笑。
Posted by ゆうこりん at 2015年11月29日 00:53
ゆうこりんさん、こんにちは。
外資の売買は、例のターゲット・イシュー・プログラムの関係でしょうかね。
フタが・・・と考えるのも一考ですが、私はこれで公募なしで資金調達できる・・・と考えちゃいます。

>石川県の会社なのでオリンピック景気に乗れなそう。。。
だったら、大震災の特需を享受したのも可笑しい事になりますね。
石川の被害なんて多寡が知れてるのだから。

開発用地取得は用途が気になりますね。
それがストック資産か?

>がっつり下がってくるか、400円をブレイクするような高成長が見えたら再検討しよーかと思っております。
予言しましょう。
がっつり下がったら、落ちるナイフが・・・とか言って買いませんよね。
そして400円をブレイクしたら、割高感が・・・とか言って買いません。
そういうもんです。


Posted by 管理人 at 2015年11月29日 12:15
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