2014年07月18日

フジ住宅

8860フジ住宅の今後10年間を配当中心に占ってみる。
特に記載のないところは2014年3月期末の数字等を使用している。

大阪地盤で戸建て住宅分譲からスタートした会社。
売上げのうち、分譲住宅が48%、住宅流通が31%、土地有効活用が8%、
賃貸管理が11%、注文住宅が1%。

1973年 現会長の今井光郎氏がフジ住宅を個人創業
1974年 フジ住宅株式会社を設立
1975年 戸建住宅の分譲販売を開始
1986年 分譲マンション事業を開始
1987年 不動産賃貸事業を開始
1990年 大阪証券取引所市場第二部に上場
1991年 資産活用事業を開始
2002年 戸建住宅を従来の建売から自由設計方式に変更
2003年 東京証券取引所市場第二部に上場
2005年 東京証券取引所・大阪証券取引所の市場第一部に昇格
2010年 注文住宅事業を開始

利益。
2002年からの売上高と経常利益と売上高経常利益率を並べてみると(百万円)
33419、692、2.07%
32905、1028、3.12%
34387、1891、5.50%
43954、2799、6.37%
41333、3196、7.73%
52221、4090、7.83%
48793、2413、4.95%
45300、2388、5.27%
48614、2118、4.36%
59796、3680、6.15%
71594、4903、6.85%
66047、3761、5.69%
86363、5660、6.55%
となる。
不動産分譲が主事業な会社としては、非常に安定した業績なのが解る。
会社沿革の2002年に「徹底した調査と分析により、戸建住宅を従来の建売から自由設計方式に変更。
これが中心購買層のニーズに合致して大きく伸長」
と得意げに書いてあるのだが、たしかにこの辺から安定成長に入った感じで、
そのあとの2004年頃からは不況時に利益率4%、好況時に7%ぐらいで推移してる。

財務。
有利子負債は約500億円。現預金が約98億円。自己資本比率が28.3%。
所詮は不動産分譲なので、配当株の財務状況としては高評価は無理。

配当政策。
「企業体質の強化・充実と今後の事業展開に備えるため内部留保に努めるとともに、
会社の業績に応じた配当を実施」という事で具体性はない。
実際の配当額と配当性向を2002年から並べると
7.5円、76.5%
7.5円、41.9%
9円記、40.2%
9円、17.3%
17円記、42.6%
17円、66.1%
17円、29.2%
17円、66.1%
12円、31.0%
18円、28.7%
20円、25.5%
20円、31.2%
26円、28.5%
となってる。
この間で唯一の減配である2010年は金融危機明けで期首計画は10円配当だったのを
12円配当に上方修正したもの。
まぁ、できれば3割ぐらいの配当性向を守りたいが、
かと言って6割以上の配当性向を維持するのは無理・・・ってところか。

大株主は
1位 株式会社フレックス 9.29%
2位 一般社団法人今井光郎幼児教育会 7.27%
3位 株式会社フジ住宅従業員共済会 6.95%
4位 フジ住宅取引先持株会 5.00%
株式会社フレックスは今井会長が代表者を務める会社で、2位の財団法人と
6位の会長個人の分を合わせると約2割を今井会長が実質保有。
従業員共済会と取引先持株会も合わせて約3割が身内。


金融危機の嵐が不動産業界に吹き荒れてる2009年度。フジ住宅の決算短信には
「中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題」としてこんなことが書かれている。

>・・・・不動産業界でも新興企業や単一事業の企業を中心に倒産が相次ぎました。
>当社は、平成バブルの教訓を活かして、平成15年春に建築費の上昇と供給過剰の傾向が
>見えた分譲マンション用地を、平成18年秋に地価の高騰で採算の合わなくなった
>不動産ファンド向けマンション用地の取得を休止し、平成19年春策定の中期経営計画では、
>従来の攻めの経営姿勢を変更し守りの経営に徹する方針を打ち出して・・・・

ファンドバブルに沸く頃に他の新興不動産会社がイケイケドンドンと業容を拡大させて、
ドンドンと潰れていった中、敢えて守りを固めた経営判断は素晴らしいと思う。
そして、倒産しない経営体質を確立するための下記の2施策を掲げた。

>@ 在庫量をコントロールする指標の設定
>@.売上高に対する在庫の量をコントロールする指標
>在庫売上高倍率 1倍以下 (たな卸不動産残高/不動産売上高)
>A.在庫に対する有利子負債の額をコントロールする指標
>有利子負債在庫倍率 0.8倍以下 (有利子負債残高/たな卸不動産残高)
>B.純資産額に対する在庫の金額をコントロールする指標
>在庫純資産倍率 2倍以下 (たな卸不動産残高/純資産額)

実際には、在庫売上高倍率が0.93倍、有利子負債在庫倍率0.75倍、在庫純資産倍率2.72倍
となってて在庫純資産倍率だけは超えてるのだが、充分にコントロール出来ていると考える。

>A 経営多角化による収益構造の転換(脱デベロッパー事業の強化)

という事で「リニューアル」「シニア」「賃貸」への多角化を目指していたのだが、現状は
分譲住宅セグメントが48.0%で、そのうち3分の2が分譲住宅、3分の1が分譲マンション。
住宅流通セグメントが31.4%で、そのうち8割ほどが中古住宅、残りが建売住宅。
土地有効活用セグメントが8.4%。←ここにシニア向け住宅も含まれる
賃貸及び管理セグメントが11.2%。←ここに中古住宅アセット事業も含まれる
注文住宅セグメントが1.0%。
となっていて、分譲と分譲以外の売上げが半々。
狙い通りに構造転換が進んでると思う。


さて、10年後の配当だ。
言っても所詮は不動産業であり、景気次第で業績は変動する。
業績が悪化しても高還元が続けられる様な、現金ジャブジャブからは程遠い。
ただ、前述の「在庫コントロール」「収益多角化」の2施策により、
同規模の同業他社に比べて相当に安定してると思われる。
不況期に10円配当←→好況期に30円配当ってところかなぁ。
まぁざっくりと10年間で年平均20円配当と見ておけば、それなりに当たるんじゃなかろうか。


以前にも書いたが、前期の1Qから開始した「中古住宅アセット事業」が気に入ってる。
因みにまだ1年も経ってないが「軌道に乗った」そうだ。
これは3230スター・マイカがやってる事業と同様だと思われるのだが、
「多数の賃貸(一室)を取得して、入居者が居る間は賃料収入を得て、
入居者が出て行ったらリニューアルして中古マンションとして売却」
という事業で、はっきり言ってローリスクでボロ儲けな事業だ。
スター・マイカは還元意欲が薄くて買えなかったのだが、
フジ住宅が始めてくれたので大いに期待してる。
個人の不動産投資家が理想的パターンとして想い描きそうな
「中古マンション購入して家賃収入を得て、高く売れそうなら売り抜ける」
というのを上場会社が勝手にやってくれるのだから、こんな有難い話はない。
しかも売り抜ける出口にいる買い手は、その個人の不動産投資家なのだ(笑)


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posted by 冬葉ツトム at 15:53 | Comment(6) | TrackBack(0) | 保有銘柄 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。
不動産投資を行なっているものですがフジ住宅のイメージはまさに買取・転売業です。
だいたい相場の7掛け程度で買取を行っていると聞きます。
消費税が8%になり今後10%になると建物部分に対してだけの影響ですがじわりじわりと影響を及ぼすのではないかと考えております。
ただし相場がガラッた時には買取希望者が増えるでしょうから意外と不況局面で強い会社ではないでしょうか。
Posted by とま at 2014年07月20日 18:44
とまさん、こんにちは。
フジ住宅が買取・転売業というのは、フジ住宅全体がではなく
「中古住宅アセット事業」がという事でしょうか。
であれば私の見立て通りのボロ儲けで、うれしい話です。
消費増税での仕入価格上昇はいずれは売却価格も上昇して解決すると思うのですが、
その間のタイムラグが各業者の悩みかもしれません。
しかし「中古住宅アセット事業」の場合、その間を賃貸で時間稼ぎできるので、
わりと楽かなぁと期待してます。
Posted by 管理人 at 2014年07月20日 21:19
言葉足らずですみません。
フジ住宅という会社全体のイメージ=買取・転売業です。
(あくまで私の個人的なイメージですよ)

セグメントで言いますと住宅流通(実需用)にあたると思います。
大手仲介業者は手数料欲しさ(2回分)に買取業者への買取を売主へ打診したりします。(特に時間がない客、古い物件、売りにくい物件)

実際売主へ打診していなくても、今後売れない時に備えて買取金額の査定を依頼します。そこで必ずと言っていいほど登場する会社がフジ住宅なんですね。

中古住宅アセット事業はツトムさんの記事をみて初めて知りましたが、不動産業は日銭を稼ぐことも結構大切なので売却と保有をうまく使い分けていってほしいですね。
Posted by とま at 2014年07月21日 09:29
売上げの半分は分譲なので客観的にはそれが主業でしょうが、
他業者or個人投資家と関わりが大きいのは流通部分でしょうから、
そこのイメージが強くなるのでしょうね。
分譲はフジ住宅と施主で完結しちゃうから。

>実際売主へ打診していなくても、今後売れない時に備えて買取金額の査定を依頼します。そこで必ずと言っていいほど登場する会社がフジ住宅なんですね。

って事は、査定依頼主にとってフジ住宅の買取価格が基準になってる?
単にフジ住宅が商売熱心なだけかな。
どちらにしろ株主としては喜ばしい事で。
Posted by 管理人 at 2014年07月21日 10:20
いつも拝見しております。
「中古住宅アセット事業」、興味深いですねえ。
この事業が次の不景気の時にどのくらい耐性を持っているのかが楽しみです。
それに市況が冷え込む前に経営者がどの時点でブレーキをかけるのかなど経営資質にも興味が湧いてきました。
Posted by たけ at 2014年07月22日 20:47
たけさん、こんにちは。
11.2%しかない賃貸及び管理セグメントの、そのまた一部ですから、
それほどの影響はないと思います。
ブレーキは、今も少し掛けてるようです。
資材高騰と人手不足に対応して建設工事は抑え気味で、
その代わりに土地の確保に注力してるそうで。
Posted by 管理人 at 2014年07月22日 21:29
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