2014年06月06日

脆いビジネス

勝手リンク先のtousyou8920さんのブログの記事
「こんな新規事業参入は嫌だ」

>1.太陽光発電
>2.介護
>3.データセンター

と書かれていて、なるほどなぁと思った。
確かに私も安易な参入は嫌だ。
この参入は、企業が新規事業としてという意味の参入と、
個人投資家が投資先のテーマとして選ぶという意味の参入と、両方の意味で。
まぁ、安易に参入できるって事は参入障壁が低いからなので、
それだけで大したビジネスじゃないのは明らかだけど。
思いついた事をツラツラと書いてみる。

「太陽光発電」
太陽電池と設置スペースさえ用意できればOKなので、参入障壁は殆んどない。
「工場の屋根が空いてたので電力コスト削減のために・・・・」
みたいなのが、特に製造業に多い。
自社で自社に供給するなら他社との競合もないので、
これはまぁ、余資や余土地のある企業であれば良いんじゃないか。
(それはそれで「本業に活用できないのか」と萎えない事もないが)
でも中には外部への販売を見込んで、しかもそれを事業の柱に据えて
始める企業もあるが、それはヤバい。
問題なのは、黒字も赤字も政府の買い取り価格次第だって点。
時の政府に生殺与奪の権利を与えてしまってるのが怖い。
しかも、いま買い取り価格が高いのは新規参入を促すためであり、
言い換えれば、買取価格が高いほど競合が増えるのだ。
その企業の工夫等ではどうにもならない構造。
政府次第の公営ギャンブルであり、パチンコ屋を開業したのと同等。

「介護」
これも多い。
しかも、太陽光と違って本業としてやってる企業がたくさん上場してる。
どの企業も「超高齢社会」をキーワードに、市場が拡大するのが確実だから
という理由で参入してくるのだが、多数の介護会社が上場してるのを見ても解る通り、
参入障壁はほぼ無い。
そりゃそうだ。
資本集約型というか、典型的な人間集約型の事業であり、
(許認可等は別にして)人さえ集めれば開業できるのだから。
しかしこれは、2倍に拡大するためには2倍の従業員を雇わなきゃいけない事業だ。
これが儲かるわけがない。
だって日本の少子化と新興国の経済発展で、従業員の供給は細る一方であり、
売上げ以上にコストは上がり続けるのだから。
市場が拡大するのは確実だが、儲からないのも確実。
それも永遠に。
介護ロボットも開発は進むだろうが、もし介護職員のコストより低コストなロボットが
開発されたとしても、その時は更に参入障壁が無くなって競争が激化するだけで。
(ひょっとしたらロボットの造り手のホンダやファナックが本格参入したりして)
介護事業に儲かる点があるとすれば、政府の助成金だけである。
そしてその助成金の元になる政府財政・予算は少子高齢化により先細り。
つまり、「超高齢社会」を理由に参入したはずの企業は「超高齢社会」により儲からず
「超高齢社会」によりお先真っ暗なのだ。

「データセンター」
データセンターとはなんぞや?
簡単に言うと、「顧客データが乗り移ったコンピュータ様がお住まいになるビル」だ。
本社だけでなく各地にデータをバックアップしておきたいと顧客が考える。
しかし自前で各地にデータを置くのは難しいという場合はデータセンターの出番。
このビルの中には多くの棚があって、少し高級なコンピュータが置かれる。
このコンピュータ様が快適に暮らせるように、電源と空調と耐震機能が完備される。
最近ではクラウドでアプリケーション本体が乗り移ってる場合もある。
要は、大家業である。
マンションを建てて入居者から家賃を貰うように、
データセンターを建てて入居者から家賃を貰う。
一度入ってしまえばそう簡単に転居はしない。
毎月チャリンチャリンと一定のお金が入ってくる。
まことに結構なストックビジネスである。
ではなにが問題になるか?
マンションやオフィスビルで優秀な大家業を長年続けてる老舗不動産会社の優位性は
物件が一等地にある事だ。
都心の一等地という極小空間をガッチリと押さえてるのでビジネスが揺るがない。
対してデータセンターはどうかというと、適した土地が広すぎるのだ。
殆どの企業の本社は東京にあり、そのバックアップであれば、
東京から離れた地価の安い場所なら何処でも良い。
沖縄でも北海道でも宮崎でも秋田でも大差ない適地。
大量にある一等地は既に一等地ではない。
なので、猫も杓子も参入できて、激烈な競合に晒されるわけだ。


3つのビジネスに言えるのは、
「ストックビジネスではあるが、参入障壁が低く競争激化が不可避。政策への依存も」である。
一言で言うなら「脆いストックビジネス」。
事業としても投資としても、前のめりになり過ぎると怖いビジネス。


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posted by 冬葉ツトム at 14:58 | Comment(6) | TrackBack(0) | 雑記 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
まったく同感です。
介護はまだノウハウがあるような気もしますが、
「太陽光発電」には皆無なのでは?と思い、
四季報でその語句を見た瞬間、
その企業への関心が消滅します。
Posted by mushoku2006 at 2014年06月06日 22:37
mushoku2006さん、こんにちは。
どれも、数年ぐらいのビジネスと割り切って短期勝負するなら、
それはそれで意味もあるとは思うんですがね。
投資家的にも、成長株とか割安株とかのある程度長めの投資だと、
危なっかしいなぁと思います。
ましてや配当株みたいな半永久的な投資では・・・・
Posted by 管理人 at 2014年06月06日 23:09
書き込みは二回目です。
太陽光ビジネス会社や介護に、以前は投資していました。


勉強になりますm(_ _)m

さて当方は、投資歴二年目の初心者です。


米国金融緩和終了→米国金利利上げ後の、投資先について、ご指南いただければ幸いです。
(もちろん自己責任で判断しますが)


現在は、定期預金、日本株、外債、外国株、国内外リートをほぼ同じ割合で保有しています。
Posted by はどーけん at 2014年06月09日 14:56
はどーけんさん、こんにちは。
あなた自身が何を求めてるかを考えれば、自動的に投資先は決まります。
赤の他人に聞くまでもなく。
Posted by 管理人 at 2014年06月09日 15:28
確かにそうですね。
水宅配ビジネスも似たような印象です。
Posted by Kmi at 2014年06月12日 09:36
Kmiさん、こんにちは。
日本は水源が豊富なので、水宅配も参入障壁低いですよね。
どれも、代名詞になるぐらいのシェアを確保できれば
強いビジネスになるんでしょうが・・・・
Posted by 管理人 at 2014年06月12日 10:11
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