2013年12月13日

四季報の利用法

しばらく前に「会社四季報の活用法」をテーマに取材の依頼があったのだが、
いつも取材は断ってるし、その時もお断りした。
本日は最新号発売日でもあり、ここで私の「四季報の利用法」を書く。
(利用法というより購入理由になるかもしれないが)
と言っても、巷に溢れる「四季報に好数字・好解説が載ってる銘柄を事前に調べて
(あるいは情報を仕入れて)、先回り買いするイベント投資法」の話ではない。
そんなこと知らないから書きようがないので。
また、大型株には当てはまらないかもしれない。

私は特集とかは滅多に見ることはなく、個別銘柄の欄しか見ないのだが、
あの個別銘柄欄の中には「事実」と「事実以外」が書かれている。

事実とは、会社名とか住所とか大株主とか、要するにほとんどの部分だ。
記載ミスや粉飾でもない限りここに間違いはなく、
短信や有報を読めば誰でも知ってることばかり。
四季報がなくても知り得るのだが、それでも四季報の方が便利だ。
それは長期間を通して見ることができるから。
四季報が4冊ほどあれば、十数年分の業績を一覧できる。
よく「ネット証券で見れるから買う必要なし」って人がいるが、
あれは3ヶ月経って最新号が出ると旧号分は消えちゃうんですよね。
まぁ、3ヶ月も保有してない短期筋やイベント投資家にとってはそうなんだろうけど。
会社HPにある短信等だって、数年分しか置いてないところも多いし。
本当は20年分ぐらいの業績が一覧できるポータルサイトがあればベストなんだが、
現状では四季報を手元に置いておくのがベター。
この「長期間の業績の流れをつかむ」って事は重要だと思う。


事実以外とは、本文と"予"が付いてる数字だ。
まず予付き数字だが、公式数字以外を会社が答えたらむしろ大問題なので、
ここで四季報オリジナルの数字が出るのは取材時の微妙なニュアンスを酌んだから。
でね。記者だって忙しいのである。
読者の多くが興味津々な主力株人気株なら時間も割けるだろうが、
私が持ってる地味株なんかはアンケートに毛が生えた程度の取材しかしちゃいない。
当然、微妙なニュアンスなど伝わる訳がない。
よって会社が以前から公表してる計画数字のままである。


そして本文だが、例としてクリエートメディックの四季報2014新春号の本文前半を引用する。

>【底堅い】 国内は単価下落圧力強いが、泌尿器系のキット製品増で吸収。
>中国も伸長、人民元高の恩恵など享受。14年12月期は診療報酬改定の悪影響あるが、
>国内の販売体制強化奏功。泌尿器、消化器系中心に堅調。中国拡大も続き、営業増益。
>普通35円配。

12月決算銘柄で取材時に既に期末間際なので、この文の前半はほぼ事実だろう。
「診療報酬改定の悪影響あるが、国内の販売体制強化」も事実だろう。
しかし、続く「奏功。」は願望である。
さらに「泌尿器、消化器系中心に堅調。中国拡大も続き、営業増益。」も願望。
会社としては泌尿器、消化器系に注力するのは事実だろうし、
中国拡大を目指してるのも事実だろうが。
「普通35円配。」も願望。

たぶん、四季報なんか使えねぇよ!って人の一番の理由は
「書いてることが当たらないから」ではないかと思うのだが、
そもそも事実と願望しかなく、どこにも予測が書かれてないのだから
当たる当たらないの問題にしてる方が不思議である。


じゃあ、本文は使えないのかというと、決してそんな事はないと思ってる。
私はあれに「記者の感じている経済の温度」と「会社の意欲」を見る。
一介の個人投資家より遥かに経済全体を俯瞰できる立場の四季報記者が、
その時期になにを感じていたかってのは、凄く重要なことだと思う。
また、各会社が次期に向けて業容拡大・利益捻出・株主還元・社会貢献等々に
立ち向かっていく、その意欲が表れた文章だとも思う。


四季報の2000円の元が取れない人って、
論理性と感受性に問題があるんじゃなかろうか?
であれば、どんな情報も活かせやしないと思う。


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posted by 冬葉ツトム at 16:09 | Comment(2) | TrackBack(0) | 雑記 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
初めましてm(__)m

自分は、四季報を「BPS」と「PBR」の推移を見るために主に使っています。

バブル期の四季報とか、リーマン・ショック時の四季報とか

見くらべると面白いですね♪

Posted by 茂庭 at 2014年06月25日 18:33
茂庭さん、こんにちは。
バブル期の四季報もお持ちですか。
それは羨ましいです。
BPSの推移って企業の年輪みたいなものですよね。
Posted by 管理人 at 2014年06月25日 20:31
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