2012年07月06日

日本ドライケミカル

1909日本ドライケミカルの今後10年間を配当中心に占ってみる。

防災設備・機器・車両の製造販売保守。
米タイコ社に買収され非上場になったが2011/06に再上場。

防災設備事業の売上げが全体の47.7%、メンテナンス事業の売上げが23.8%、
商品事業の売上げが21.7%、車輌事業の売上げが6.7%。

1955年 日本ドライケミカル(株)を設立(消火器と火災報知器の製造販売)
1962年 インドネシアペルタミナ石油に空気泡消火設備及び粉末消火器を納入(海外物件第1号)
1965年 現在の消火器の主流であるABC粉末消火器を開発・発売
1968年 霞ヶ関ビルにスプリンクラー設備を納入
1969年 関西電力美浜原子力発電所の消火設備受注(原子力発電所物件第1号)
1975年 (株)京葉消防保守センター(現・日本ドライメンテナンス株式会社)を設立
1980年 消防自動車の製造設備を建設、生産を開始
1984年 宮田防災工業(株)を完全子会社化し、北海道ドライケミカル(株)に社名変更
1991年 東証第二部上場
1995年 東証第一部上場
2000年 Tyco社に買収され12月に上場廃止
2003年 千葉圧力容器製造(株)を完全子会社化
2008年 大和証券SMBCプリンシパル・インベストメンツ(株)が
       (有)ディー・エス・エムインベストメンツドセを通じて株式を取得
2009年 (有)ディー・エス・エムインベストメンツドセを吸収合併
2011年 東証第二部上場
2012年 (株)初田製作所と包括的業務提携契約を締結。

利益。
2006年からの売上高と経常利益と売上高経常利益率を並べてみると
(カッコ内の2008年は6ヶ月の変則決算)(百万円)
17024、19756、(10232)、23624、21409、21248、23765、予23496
-204、4、(165)、1000、580、729、994、予824
赤字、0.02%、(1.61%)、4.23%、2.71%、3.43%、4.18%、予3.51%
となる。
これ以前の事は解らないのだが、少なくともタイコ傘下の末期は芳しくない業績だったようだ。
この業績に世界金融危機が来て、タイコも手放す気になったのか。
他にはインフラ事業や建築ガラス事業も、タイコはこの時期に手放してる。
大和系投資会社に買われてからの業績は、まぁ安定してる。
機械製造って事で、利益率の低さは仕方がない。

財務。
有利子負債は約25億円。現預金が約14億円。自己資本比率が31.7%。
投資有価証券は特になし。・・・というのが3月期末での様子だったのだが、
今年5/14に大和の保有分(発行済み株式の33.62%)のうち初田製作所が全体の18.48%を取得。
残りを自己株として8.37億円で取得。この費用として8億円の社債を発行。
なので、現在は有利子負債はもっと多い。
まぁ、配当株としてはあまり良くはない。

配当政策。
「利益還元を重視し、業績向上を図りつつ、安定配当に努める」という具体性のない方針。
実際の配当額と配当性向を2011年から並べると(それ以前は無配)
100円、150円、予150円
42.8%、56.5%、予56.1%
となる。
これだけじゃ何とも言えないが、還元意欲は高そうに見える。

現在の大株主構成は
1位 自己株式19.45%
2位 初田製作所18.48%
3位 昔農千春3.0%
となってると思うのだが。4位以下は取引先との持ち合いっぽい。
還元を厚くしておいて損はない株主ばかりだ。
昔農氏は2138クルーズの大株主でもある。以前はソーバルやFPGの大株主にも名前があった。


防災設備事業の売上げが全体の47.7%なのに対して、売上総利益が全体の32.0%。
メンテナンス事業の売上げが23.8%に対して、売上総利益が48.5%。
商品事業の売上げが21.7%に対して、売上総利益が15.8%。
車輌事業の売上げが6.7%に対して、売上総利益が3.7%。
要するに、2割の売上げのメンテが利益の半分を叩き出してる。
大好きな「メンテで稼ぐタイプ」の会社。
売上総利益率を見ると、防災設備事業が13.3%、商品事業が14.4%、車輌事業が10.8%なのに対し、
メンテナンス事業は40.4%!
ボロ儲け(笑)

しかも売ってるものが「防災」である。
スプリンクラーや消火器などは法令で設置が義務付けられ、定期的に更新需要がある。
いくら日本の財政が厳しくても、消防車が激減するほど落ちぶれちゃいないだろうし。
つまり、確実に売れ続ける事が約束された事業。

安定した利益が見込まれ、であれば財務も改善されていくはずだし、それで還元意欲が高いなら、
もう配当株として文句はない・・・と言い切りたいところだが。
しかし前述の通り、タイコグループの一員だった頃は赤字もあったのだ。
この時期は非上場だったので、なぜ赤字になったのかも判らない。
(2006年は赤字で、金融危機の2008-9年や震災の2011年は黒字って?)
非上場の空白期があるので、その前の上場期がどうだったのかも判らない。
配当だってまだ二期しか払ってないので、本当に還元意欲が高いのかも不明だし。


さて配当である。
同業大手の6445モリタHDが営業利益率8.0%。対して日本ドライケミカルの営業利益率4.4%。
なぜこんなに差があるのかというと、
モリタの売上げは約640億円で原価が約479億円。原価率75%。
ドラケミの売上げは約240億円で原価が約190億円。原価率80%。
原価が掛かりすぎてる。販管費率は16.8%と15.4%で頑張ってるのだが。
この原価の原因だが、規模の小ささと国内生産なのが影響してるんじゃないかと思う。
もしそうだとすると、中国に工場を持ってる初田製作所との提携は利益率を押し上げるかも。
モリタ並みの原価率になればEPS500円も夢じゃない。
配当性向50%で250円配当・・・・・

さて夢から醒めて現実に戻ろうか(笑)
「データ不足で判断しきれないし、実績不足で信用しきれない」ってところが正直な評価。
なので、10年後の配当も何とも言えない。
初配当は75+75=150円配当だったのを次期は50+100=150円配当にしたのは
たぶん第4四半期偏重型なのを考慮したのだと思うが、会社としても試行錯誤してるわけで。
だが、立派な配当株に育つ素養はある銘柄だし、将来的には可能性はある。
「まぁ150円配当を維持してるんじゃないのかなぁ・・」って程度のアバウトな気持ちで
今後の様子を窺っていくのが正しい付き合い方かなと。


スポンサード リンク
posted by 冬葉ツトム at 15:57 | Comment(4) | TrackBack(0) | 保有銘柄 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは、初めて書き込みさせていただきます。
ドライケミカルのハイツ予定額が引き下げられて株価も下落してしまいましたが、冬葉さんはこんな時にはどういった行動を取られますか?
含み益の有無等、いろいろな要素で取られる行動は分かれるとは思いますが、冬葉さんにご意見を伺いたいです。
よろしく願いします。
Posted by 配当初心者 at 2012年09月08日 23:01
配当初心者さん、こんにちは。
日本ドライケミカルですが、私は減配発表後(先週末)に売ってしまいました。
資金は設備投資やM&Aに使うと会社が明言してるので、株主還元が期待できなくなりましたので。

お書きになられた「配当額が引き下げられた」と「株価が下落」の二点のうち、
私にとって前者は売却理由になりますが、後者は売却理由にはなりません。
例えば株価2000円で100株保有してて配当が150円だった場合、
私の受け取る配当は年15000円です。
これで株価が1000円になっても配当は年15000円で変わりません。
影響がないのですから、売る理由にはなりません。
(但し、株価1000円の原因が業績悪化なら、業績悪化→株価下落&減配というのはありえます。
その場合は売却理由になりますが、それでも株価下落が直接の理由ではありません)

Posted by 管理人 at 2012年09月09日 00:53
冬葉さん、
ご回答ありがとうございました。実は質問をさせていただいたあとに冬葉さんの方針を見直してみて当たり前な質問をしてしまったかなと思っていました。ではなぜ自分がこんな質問をしたかと考えてみると、僕の場合は含み損が出てしまっているからです。
こういった配当方針変更よって株価が急落した場合は同じ売るにしてもすぐに売るのか数日様子を見て売るほうがいいのか、、冬葉さんは同日で売却されたそうですが、今までのご経験でやはり即売ったほうが良かったのでしょうか?
往生際が悪いようですが僕は今のところ保持していて落ち着いた頃に売ろうと思っています。
Posted by 配当初心者 at 2012年09月09日 20:59
すぐ売るべきか様子を見るべきか、もしそれがあなたに判るのなら、
これから株価が上がるか下がるかも判るはずですし、配当が増えるか減るかも判るはずです。
でもそれらが判らなかったから、何時売るべきかを悩む状況に陥ったのではありませんか?

Posted by 管理人 at 2012年09月10日 00:29
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック

Copyright(C) 2009-2020 配当金生活 all rights reserved.