2011年07月22日

SPK

7466SPKの今後10年間を配当中心に占ってみる。

自動車補修部品と産機・建機部品を卸す商社。
社名の由来はSincerity(誠実)、Passion(情熱)、Kindness(親切)から。

国内営業本部と海外営業本部と工機営業本部という変わったセグメント。
国内営業本部は国内の主に車検向け部品を扱う。売上高の59.7%。
海外営業本部は海外への補修部品の輸出。29.7%。
工機営業本部は産機・建機の組み付け部品。10.6%。
海外現地法人はシンガポール、マレーシア、タイ、中国広州、オランダの5社。

1917年 伊藤忠商事株式会社の機械部より分離し、系列会社として大阪自動車株式会社を設立
1922年 伊藤忠商事株式会社の系列から離脱・独立。自動車部品・用品の販売に専念
1949年 社名を大同自動車興業株式会社に改称、自動車部品専門商社として再スタート
1980年 シンガポールに現地法人を設立
      大阪工機部を開設
1990年 オランダに現地法人設立
1992年 社名をSPK株式会社に変更
1995年 ジャスダックに株式上場(店頭登録)
1997年 マレーシアに現地法人設立
2000年 東証第二部市場に上場
2003年 東証第一部市場に指定
      大阪の株式会社丸安商会の全株式を取得し連結子会社化
      中国広州に駐在員事務所開設
2005年 タイに現地法人設立
2007年 中国広州駐在員事務所を現地法人に格上げ

利益。
2003年からの売上高と営業利益と売上高営業利益率を並べてみると
28414(百万円)、29229、30453、31866、32218、32037、29199、25024、28554、予31500
1048(百万円)、1291、1334、1464、1434、1317、963、781、1035、予1200
3.69%、4.42%、4.38%、4.59%、4.45%、4.11%、3.30%、3.12%、3.62%、予3.81%
となる。
やはり世界金融危機には勝てず2008〜2010年と減収減益で、昨年度に再び盛り返したところ。
とは言っても自動車部品を扱って海外売上げも3割あって、それでこの黒字は立派だと思うが。
利益率の絶対値が低いのは商社なので仕方が無いが、3%〜4%台中盤で安定してる。

ずっと営業利益より経常利益の方が多いのは営業外利益に「仕入割引」があるから。
これは「買掛金を支払い期日前に払ったことによる仕入代価の割引」だそうだ。

財務。
有利子負債は無く無借金。現預金が約27.7億円。自己資本比率が70.5%。
投資有価証券はエクセディや今仙電機製作所などの取引先っぽいところが約2.88億円。
優秀である。

配当政策。
「増配の継続」とキッパリ書いてある。過去の増配実績として1998年から
15円、16、21、26、28、30、32、34、37、40、43、47、49、51、予53
と誇らしげにアピールしてる。配当性向は1999年からになるが
18.2%、18.4、32.1、24.6、26.5、23.3、22.2、23.7、25.1、29.3、42.0、50.1、40.9、予37.4
と、特に無理もしていない。
ここ数年は配当性向40%超と高めだが、それ以前は20%台が続いていた。
「増配の継続とは素晴らしい」と単純に考える事も出来るが、
(業績や財務を考えると明らかに低い)配当性向20%台だったから増やし続ける事が出来たとも言える。
もっと言えば、本当に還元意欲が高い会社であれば、とっくの昔に配当性向70%ぐらいになって、
もう配当増額余地も少なくなってたはずである。
そう考えると、還元意欲が高いとは一概には言えない。

株主構成は外国人が11.3%保有でカタカナが多い。反面、経営陣の名前が無い。
筆頭株主の日本マスタートラスト信託が、前会長の中嶋功氏の信託口じゃないかと思うのだが、
確認は出来なかった。
5位の西野義貞氏は誰なのか?
6位に竹田和平氏が居て、12万株保有なので51円配当だとこれだけで612万円。羨ましい。


自動車部品の会社というと上場企業にもたくさんある。
多くが新車生産に使われるパーツのメーカーだ。
これらは新車の生産(販売)台数に比例して業績が上下する。
対して補修部品などのアフターパーツは、車が使用されてる間はずっと必要になる。
販売台数ではなく保有台数に比例して需要が発生する。
不況で車の国内販売は落ち込むかもしれないが、それでも保有台数は下げにくい。
「新車を買うのは控えよう」と思う人は同時に「今の車を乗り続けよう」とも思うかもしれず、
この場合だと新車販売は無いが保有は続く。
(「不況だから車は手放そう」と思った場合は保有も無くなるが)
販売(フロー)は景気次第で激しく動くが、保有(ストック)は穏やか。
ちょうど不動産の販売と賃貸の関係と同じで、アフターパーツの会社は大家業みたいなものだ。

実際の国内新車販売台数を2006年から2010年まで並べると
573万、535万(-7.1%)、508万(-5.3%)、461万(-10.2%)、496万(+7.6%)
4輪車保有台数も2006年から2010年まで並べると
7565万、7583万(+0.24%)、7562万(-0.28%)、7530万(-0.42%)、7517万(-0.17%)
となる。
カッコ内の対前年比を見ると、違いが一目瞭然。
市場がこれだけ安定してて、しかもメーカーではなく卸しなので余計に業績が安定する。

こうして国内事業が安定的に利益を生み出して、その上で新興国のモータリゼーションの波に
乗っかる事で成長も出来る。
この海外進出って点は不動産より有利だ。土地と違って輸出も現地生産も出来るから。
しかも得意な国産車の市場は、自動車メーカーが勝手に世界に向けて拡大してくれるし。


SPKと同様の自動車部品を扱う卸で中央自動車工業という銘柄も保有してる。
どちらもアフターパーツの卸で、海外展開に積極的なところも似てる。
ただし、似て非なる部分もある。
同じ自動車部品でも、中央自動車がカーアクセサリー(嗜好品)に、SPKが補修部品(必需品)に
強みがあるという違い。
このため中央自動車に比べてSPKの利益率は低い。
さらに中央自動車は他社製品卸から自社開発商品に軸足を移して利益成長を進めてるが、
SPKには独自の成長は感じられない。
という訳で、両社の利益率は中央自動車13%付近、SPK4%付近と差が開きつつある。
まぁ逆に安定感ではSPKが上な訳で、配当株投資としては問題ない。


さて10年後の配当だが、単純に年間2円の増配で71円配当で良いのではないか。
安定感の高さと成長力の無さを考えると、特別損益が無ければEPS170円ぐらいかと思うのだが、
これで71円配当なら配当性向42%。まだ全然余裕がある。
120円配当で配当性向70%とかでも困らない会社だが、増やしすぎると増配余地が無くなるので
それもなさそう。
還元意欲ではなく増配継続意欲が旺盛という、ちょっと変わった会社がSPK。


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posted by 冬葉ツトム at 16:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 保有銘柄 | 更新情報をチェックする
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