2011年07月15日

流動性の罠

本来の「流動性の罠」ってのは、金利がゼロに近づくと金融政策が無力に・・って事だが、
ここに書くのは全然違う話。

「流動性が低いから、この銘柄は買えない」という声をよく聞く。
まぁ大口投資家は仕方が無いとしても、せいぜい1銘柄に1000万円とか、
あるいはもっと小口の資金を動かしてる程度の個人投資家でもだ。
彼らの言うには「イザという時に逃げられないから危険だ」だそうだ。

だが、この理由は矛盾してる。
イザという時は売買が膨らむからだ。
実際に売らなきゃいけない時は充分な出来高があり、彼らの持ち高ぐらいなら楽に売り捌ける。
なので理由として成立してない。

ただ、これがトレーダーの皆さんなら解らないでもない。
逃げられない唯一の例外として「ストップ安売り気配」があるからだ。
この場合は確かに逃げられないし、彼らの扱う銘柄は何時「ストップ安売り気配」になっても
不思議でもない銘柄だから。

これが普段からファンダメンタルを語ってるような投資家が「イザという時に逃げられないから
流動性の低い銘柄は買えない」というのは、ただの言い訳にすぎない。
では彼らが言い訳をするのは何故か?

それは彼らが求めているのが「利益」ではなく「興奮」だからだ。
彼らの本音は「流動性が低いから買えない」ではなく「面白くないから買いたくない」である。
でもそんな事は言えない。
だって普段から業績がどうとか会社を応援するつもりでとか言ってるのに、
本当のところはパチンコ屋の新装開店に並んでる連中と同じだなんて、口が裂けても言えない。

そんな彼らに都合の良い点がある。
値動きが小さく面白くない銘柄には、普段は流動性が低いという共通の特徴がある。
だから「面白くないから」と言わなくても「流動性が低いから」と言い訳しておけば、
自動的に面白くない銘柄は扱わなくて済む。
前述の通り、大口投資家やトレーダーにとっては正当な理由なので、
それに乗じて流動性云々と言っておけばそれっぽく聞こえて誤魔化し易い。


自覚してるかどうかは別にして、この言い訳を使ってる人々は興奮を求めて興奮を手に入れてるので
別に不都合は無い。
哀れなのは、素直に真に受ける人々だ。
大口も小口も、投機家も投資家も、皆が「流動性の低い銘柄は買うな」と言ってるのだから
「そうかなぁ・・・」と思ってしまうのも無理はない。
しかしこれこそが、個人投資家に関係がある方の「流動性の罠」だ。
流動性の低い銘柄を対象外にする事で、利益より興奮を求めてる人達と同じ事をやる羽目になる。
当然、利益は得られない。
あるいは大口投資家と同じ土俵で戦う事になる。
当然、負ける。

まぁ、なんにも考えないから陥る罠なので、自業自得ではあるのだが。


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posted by 冬葉ツトム at 15:57 | Comment(6) | TrackBack(0) | 雑記 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
すいません、一点、以下の記述がよく分からなかったのですが。
「イザという時は売買が膨らむからだ。
実際に売らなきゃいけない時は充分な出来高があり、彼らの持ち高ぐらいなら楽に売り捌ける。」
なぜ通常は流動性の低い銘柄が、いざというときは売買が膨らむのでしょうか?




Posted by ひで at 2011年07月17日 22:04
ひでさん、こんにちは。
「イザ」が何を表すかによりますが、
業績が急激に良くなった(あるいは悪くなった)場合は、
飛び付いて買う人(あるいは投げる人)が増えるので売買が膨らみます。
買いや売りが強引になるので、約定が増えます。

需給が急激に良くなった(あるいは悪くなった)場合は、
需給の変化そのものが「イザ」です。
「イザ」という時に売買が膨らむのではなく、売買が膨らんだ事が
需給要因を気にする人達にとっての「イザ」です。

別に流動性の低い銘柄に限った話ではないです。
東電の半年前の出来高と今の出来高を比べてみてください。
Posted by 管理人 at 2011年07月17日 23:31
流動性が低いとは、本来は買いたい株価で買いにくい、売りたい株価で売りにくいということをいうのですけど。
Posted by k_invest at 2011年07月19日 06:52
k_investさん、こんにちは。
流動性が低いと買い難い(売り難い)人の存在は、記事に書いてあります。
その人達が言っているのですよね?
Posted by 管理人 at 2011年07月19日 08:12
私の持ち株だと
【3800】(株)ビーエスピーや【9799】旭情報サービス(株)
なんかが該当しますかね?
一日取引量が1000株以下はザラ、寄り値つかずもザラ。
私は配当利回りに引かれて購入しているので全く困りませんが、
売り板と買い板の値幅が離れているので即時換金性には確かに不利ですね。

この場合の「イザ」というのは市況的な話ではなく株主側の「イザ」ではないですかね?急な入院や事故で即時換金したい時に困るというだけでは?

自分はそのあたりは納得して買ってるので余りリスクとして意識はしたことないですね。
Posted by エルレーン at 2011年07月19日 21:07
エルレーンさん、こんにちは。
私も別に困りませんが、困ると言ってる人達にとっての
「充分な流動性のある銘柄」は、1日の売買代金10億円以上ぐらいの銘柄じゃないかと。
私の持株だと東燃ゼネラル石油が辛うじてクリア出来るかというぐらいで、
ほとんどが彼らにとって論外になると思います。
株主側のイザで売らなきゃいけないってのは、余裕資金以外を注ぎ込んじゃってるわけで、
やはり言い訳に過ぎないと思います。
Posted by 管理人 at 2011年07月19日 22:53
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