2011年05月20日

ラサ商事

3023ラサ商事の今後10年間を配当中心に占ってみる。

鉱物資源や特殊ポンプを扱う専門商社。ラサ・システムと呼ぶ製鉄所向けリサイクル設備も。

資源・金属素材関連が全体の売上げの61.4%。産機・建機関連が33.6%。環境設備関連が4.8%。
資源ではオーストラリアのアイルカ社から仕入れたジルコンサンドが中心。
大平洋金属から仕入れたフェロニッケルは、三菱商事を通じて台湾メーカーに販売。
産機では大平洋機工から仕入れたワーマンポンプが主力商品。

社名の由来は沖縄県の沖大東島(通称ラサ島〜ラテン語で「平坦な」という意味のrasaに由来)で
リン鉱石を採掘したのがラサ島燐礦(現在のラサ工業)で、ラサ商事はその販売部門だった。
因みに沖大東島は現在もラサ工業の私有地だが、在日米軍の射爆撃場になっていて立ち入り禁止。

1939年 ラサ工業株式会社の製品販売を目的としてラサ商事株式会社設立
1959年 日曹製鋼株式会社(現大平洋金属株式会社)とニッソ・ワーマンポンプ総代理店契約締結
1961年 ラサ工業株式会社を離れ、日曹製鋼株式会社(現大平洋金属株式会社)の関連会社になる
1963年 豪ウエストラリアンサンド社(現アイルカ リソーシズ リミテッド社)よりジルコンサンド輸入開始
1979年 スイス・ヒドロスタル社とヒドロスタルポンプ総販売代理店契約締結
1984年 ドイツ・フェルバ社とフェルバポンプ輸入販売及び製造ライセンス契約締結
1986年 タカサゴPAMポンプ総販売代理店契約締結
1989年 ドイツ・プツマイスター社と高圧ピストンポンプ総販売代理店契約締結
1994年 ロビンズアンドマイヤーズ社とモイノポンプ総販売代理店契約締結
1995年 フェロニッケルの台湾向け輸出を開始
2001年 大平洋金属株式会社の関連会社では無くなる
2003年 ラサ・オーストラリアPTYリミテッドを設立
2006年 東京証券取引所市場第二部に上場
2007年 東京証券取引所市場第一部に指定

利益。
2003年からの売上高と営業利益と売上高営業利益率を並べてみると
24101(百万円)、23642、25320、29324、40883、41176、31716、22858、24004
588(百万円)、525、1314、1399、1399、1408、1562、881、1168
2.4%、2.2%、5.2%、4.8%、3.4%、3.4%、4.9%、3.9%、4.9%
となる。
2005年から利益が急増してるのは、景気回復でジルコン需要拡大とラサ・システム販売が要因らしい。
(上場前なので資料不足。目論見書にそれらしい事が書いてあるのだが)
2007、2008年に大幅増収なのはニッケル価格高騰で。
ここ数年の落ち込みは世界金融危機のためだろうが、それでも赤字になってないのは商社らしい。

財務。
有利子負債は四季報の数字だと約19.5億円。現預金が約29億円。自己資本比率が53.1%。
有価証券は同業や金融機関などの取引先の株式が約5.2億円。
MUFG社債が約1億円。
まぁ、良くもなく悪くもなく。

配当政策。
「安定配当を基本としつつ20%前後の配当性向を維持」という方針。
実際の配当額と配当性向を2003年から並べると
5円、5円、5円、11記、13円、13円、15円、8円、11円、予11円
70.4%、69.4%、9.3%、15.4%、20.0%、21.0%、25.2%、24.4%、19.2%、予21.6%
となる。
2005年以降は、配当性向20%前後で収まってる。
あまり律儀に配当性向を守らず細かい変更を無くしてくれた方が配当株としては有難いのだが、
利益が安定してるので配当もそれなりに安定してる。
でも配当性向20%というのは、還元意欲を感じさせる数字でもない。
大株主に経営陣の名前もないし。
保険会社が多く保有してるのは、歴史のある会社らしいところ。


2010年度の数字だが、資源・金属素材部門の売上げが59.2%に対して総利益は14.7%。
産機・建機部門の売上げが34.1%に対して総利益は66.9%。
環境設備部門の売上げが6.7%に対して総利益は18.2%。
という事で売上げの過半を占める資源・金属素材が非常に利益率が低いが、商社部分なので当然。
その商社として扱いが大きいのが、フェロニッケルとジルコンサンド。

フェロニッケルとは鉄とニッケルの合金で、ステンレス鋼の主原料。
ニッケル鉱石の生産地はロシア19%、オーストラリア14%、インドネシア12%、カナダ10%、
ニューカレドニア7%。
鉄鉱石の生産地はブラジル22%、オーストラリア20%、中国17%、インド11%、ロシア7%。
ステンレスは耐熱・耐食・耐酸・耐摩耗性に優れ、身近なところではキッチン周りで
キラキラ光ってるのはステンレス製品が多い。
前述の通り、大平洋金属→ラサ商事→三菱商事→台湾メーカーという経路で輸出してる。

ジルコニウムのケイ酸塩鉱物がジルコン。ジルコンサンドはジルコンを含んだ堆積岩・・・らしい。
素人には「らしい」としか理解できないが。
ジルコニウム鉱石の生産地はオーストラリア44%、南アフリカ33%、中国14%、ウクライナ3%、
ブラジル2%、インド2%。
融点が高い、比重が大きい、固い、屈折率が大きい、結晶が柱状、水に流されにくいといった特色がある。
その特色を生かしてPDPのガラス原料、タイルなどのセラミックス、鋳造用鋳型、シリコンウェハの研磨などに利用。
豪州のアイルカ社が生産量世界第1位で、ラサ商事はそこから仕入れている。国内シェア50%以上。

固くて腐食しにくい金属を扱ってた事からポンプ類に手を拡げたのが産機・建機部門なのだろうと思う。
主力のワーマンポンプは高粘度の流体専用ポンプで、ブレードの強度が大事。
他にもトンネルを掘るときの掘進機とか、いかにも固さが求められる製品が多い。


環境設備部門ではラサ・システムと呼ぶ水砕製造プラントが主力。
前述の通りフェロニッケルを扱ってるので、鉄との関係も深い。
製鉄所の高炉で鉄鉱石・コークス・石灰石を高温で熱すると銑鉄が出来るのだが、
その時に一緒に出来るのが高炉滓(スラグ)。
カス呼ばわりされてるぐらいなので以前は捨てられてたのだが、これを副産物としてリサイクルし、
セメント原料や舗装道路盤材などに再利用できる「水砕スラグ」として製品化するのがラサ・システムだ。
水砕スラグを石灰石の代替として使えば、石灰石採掘を減らせて自然環境にも優しい。


基本的に景気と資源価格に左右されるという博打っぽいビジネスなのだが、
商社機能がメインなため設備投資や研究開発に多額の金が掛からない。
輸入が多いが輸出もあるので為替リスクが軽減される。
利益面の大黒柱であるワーマンポンプは部品の交換だけで半永久的に使用できるので、
一度導入されればメンテで稼ぎ続けてくれるかも。
こういった安定要素がある反面、成長要素としてはラサ・システムの海外展開がある。
既に韓国、中国、台湾、ブラジル、ドイツ等に納入しており期待できそう。
しかも製鉄所だけでなく電力会社の石炭ガス化発電用にも使われてる。
そんなこんなで、それなりに安定と成長も見込めるかなぁ・・と。
あくまでも貴金属価格の乱高下の中心に存在する会社としての「それなりの安定」だけど。

10年後の配当だが、上場後の最低額が8円、最高額が15円で、この間に収まるのではないか。
と言うか、収まっててくれれば満足という意味で。
資源高騰リスクのヘッジ目的で保有してる銘柄で、純粋な配当株とは思ってない。
「3%程度のインカムが期待できる貴金属ETF」のつもり。
ゴールドなども持ってるが、コモディティはノーインカムなのが難点であり、
ある程度の配当があれば良いなぁという妥協。
なので、現状の配当利回りも高配当とは言えないし、将来もそこそこの配当を維持しててくれればOK。


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posted by 冬葉ツトム at 16:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | 保有銘柄 | 更新情報をチェックする
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