2011年03月08日

優待株に絡む人々

個人投資家というと、とにかく優待株投資家が多い。
いまも盛大に増殖しているような気がする。
で、少数ではあるが、それに苦言を呈する投資家も見かける。
私としては、そのどちらにも違和感を感じる。

ほとんどの優待株は1単元が有利になってる。
保有株数が増えても優待金額は比例して増えない。
全株主に一律ってのも多いし。
大株主に比べて1単元株主が優遇されてるわけだ。
そこにはあきらかに歪みがある。

相場における歪みというと、真っ先に裁定取引が思い浮かぶ。
つまり、商船三井に比べて郵船が極端に割高なら郵船を売って商船三井を買う・・とか。
もっと広い意味での歪みとなると、暴落した時なども相当に歪んでる。
感情に任せて投げる人やルール上の縛りで売らざるを得ない人とかのおかげで
価値に比べて価格が暴落し、そこに歪みが発生する。
もちろんバブルの時は逆方向に歪んでる。

歪みがある以上、それを狙うのは投資家として当たり前だ。
であれば、優待株を扱うのは自然な行動である。

しかも、しかもだ。
その歪みのなかで、わざわざ不利な方を選んでくれる投資家が大量に居るとしたら
こんな美味しい状態はないだろう。
株数的に大量というと大株主で、前記の1単元株主優遇で不利な方を選ばなきゃならない。
人数的に大量というと優待株投資家なのだが、こちらの歪みとはなにか?
それは彼らが「安く買い高く売る」という相場の鉄則を守らない事だ。

優待株投資家にとって、買い時とは
「雑誌で紹介されてたから」
「スクリーニングで見つけたから」
「会社が優待新設を発表したから」
「有名な○○さんが買ってるから」
などであり、そこには価格という判断基準が無い。
では価値はどうかというと単に「欲しい」であり、感情次第の判断基準。
価値は曖昧、価格は意に介さず。
これでは高いも安いも無いのだから「安く買い高く売る」など出来るはずがない。

いやむしろ、価格が上がるほど彼らにとっての価値(欲しい)が増すし、
価格が下がるほど価値が減るわけで、逆に「高く買い安く売る」傾向の方が強い。

こうして不利な立場を自ら進んで選んでくれる人達、つまり「カモ」が大勢で飛んでいる状態。
ヒッチコックなみに鳥が空を覆ってる状態なのだから、ハンターとしては素直に喜ぶべきではないか。
優待に批判的な人って、それを見ながら撃たない。
いくらでも獲れるのが判ってるのに、敢えて撃たない。
あるいはカモに向かって説教する人も(笑) それって投資じゃなくて啓蒙活動。

優待を出す企業にとってコストが掛かって利益が減るから止めろと言うのも変な話し。
企業がわざわざ歪みを生み出し、わざわざ不利を選んでくれているのだったら、
有利が何処にあるのか探して捕まえるってのが投資家としてのあるべき姿かと。

結局、「優待を出す企業」「優待株投資家」「反優待株投資家」という、
参加者のほぼ全員がドMなんじゃないかというような被虐な世界、それが株主優待。


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posted by 冬葉ツトム at 16:25 | Comment(12) | TrackBack(0) | 雑記 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
参加者のほぼ全員がドMなんじゃないかっていうフレーズに思わず笑ってしましました((´∀`))

個人的にも年初から1単元優待株をけっこう増やし始めたんでM度が年と共にましたかな?などと思う今日この頃です(笑)

そういえば配当重視の割安メイン銘柄でもないし小額だしという理由から安易に優待内容優先で多少割高な銘柄でも優待株であれば買ってしまってます(* ̄∇ ̄*)
Posted by まいける at 2011年03月08日 19:39
優待株と配当株はインカム狙いという点は共通してますが、
優待株の場合、1単元の有利さを得ようとすると買い下がる事が出来ません。
一発勝負。
ですから、配当株よりも細心の注意を払って底値圏で買わなきゃいけないと考えてます。
こんな難易度の高いジャンルに、簡単に大金を投じる気持ちが理解できません。
まいけるさんの様に資産の中のスパイス的な扱いならまだしも・・・

Posted by 管理人 at 2011年03月08日 23:22
はじめまして。いつも興味深く読ませてもらってます。

優待株投資家の習性については納得なんですが。
優待株投資家は1単元しか株を買わないんで、株価形成に対する影響力は小さいと思ってます。
カモを撃ち落そうと、権利確定日の前から仕込んでおいても、
地合が悪くて撃ち落せず、結局は自分が怪我するなんてオチになりがちかと。
カモの撃ち方を自分が知らないだけってことかも知れないんですけど。

優待に興味がなければ関わらなければいいだけなんですが、優待株に関しては、
利用価値があるほどの大きな歪みは発生してないと思っていたので、コメントさせていただきました。
初めてのコメントが反論みたいですいませんm(__)m





Posted by やまし at 2011年03月09日 05:16
>企業がわざわざ歪みを生み出し、わざわざ不利を選んでくれているのだったら、有利が何処にあるのか探して捕まえるってのが投資家としてのあるべき姿かと。

確かにそうですね。この歪みから儲けるのはちょっと難しそうですが、歪みを実感する教材としては価値ありだと思いました。
Posted by きょろすけ at 2011年03月09日 08:33
優待も気にする個人投資家の一人ですが、

>では価値はどうかというと単に「欲しい」であり、感情次第の判断基準。
>価値は曖昧、価格は意に介さず。

これは優待株投資家と言うよりも単におバカな投資家のような…。
まともな優待族はいい意味でもっと狡猾だと思っています。所謂優待族には信用売りと絡めた優待ただ取りや、青田刈りに優待取らず(権利獲得前の高値で売る)や優待サイクルにあわせた売買のルーチン化など…。

むしろ優待族こそがおバカな投資家の行動を最大限に利用しています。(まあ同じ構図は優待が無くても高配当な銘柄でも起きていますが)

私は優待メインではないのでただ取りはやりませんが優待銘柄であっても他銘柄と同様に厳しく吟味して売買しています。一方でおバカな投資家の行動を利用して売買差益を得ることも多いです。最も最近は権利落ち後もほとんど落ちなかったり上昇を続けて悔しい思いをすることも多いですが。

優待を出す企業側も所有株数や所有期間に応じて優待をランクアップさせるなど対策している所も多いですね。一方で株主の権利平等化を掲げて優待廃止に踏み切る企業もあれば、自社製品やサービスを優待に使って顧客拡大につなげる企業もある。某居酒屋などは優待券の利用可能日や同時使用枚数に制限を付けることでグルーポンなどよりも早くから上手くビジネスに利用しています。

単純なようで奥深いのが優待投資だと思っています。
Posted by HT at 2011年03月09日 08:46
やましさん、はじめまして。
影響力なんですが、薄商いな銘柄だと1単元でも動きますし、
人気銘柄なら1単元の大集団になりますので、動くと思います。
特にその大集団が合理的な判断の出来ない人達であれば、
一方向に雪崩が発生しますので。
イベントとかで将棋倒しになる、あのイメージです。
まぁ、統計をとった訳でもないので根拠はないのですが。

あと、書き方が解り難くて誤解を招いた様なんですが、
私が撃ち落すと書いたのは、例えば権利前の買いにぶつけて利益を出すとかの
短期手法の事ではないんです。
もちろん、そういうのもアリだとは思うのですが、ベストなのは
大底で1単元を仕込んでそのまま保有だと思ってます。
解り難い記事ですみません。
反論は大歓迎です。

Posted by 管理人 at 2011年03月09日 09:42
きょろすけさん、こんにちは。
なんだか誤解させてしまった様な気がするのですが、
上のコメントにも書いたように、かなり長い期間での歪みを考えてました。
年足チャートでなければ表れないぐらいの歪みです。
ですからきょろすけさんなら簡単に儲ける事が出来ると思います。
Posted by 管理人 at 2011年03月09日 09:48
HTさん、はじめまして。
私はHTさんの様に歪みを上手に利用してる優待株投資家は、極一部だと思ってます。
要するに大多数はHTさんのおっしゃる「おバカな投資家」。
多いか少ないかという違いになってしまいますので、
証明のしようも無いのですが。

企業が様々な改善をしてるのは、非合理的なのを自覚してるから改善してるのですよね?
Posted by 管理人 at 2011年03月09日 10:00
管理人様、初めまして。いつも興味深く拝見させていただいています。

投入資金が100万から200万程度でザラ場に動けないサラリーマンだと、自然1銘柄に注力というわけには行かないと思います。分散PFを作ろうと思ってもこの金額で投信もETFもFXもとできるわけも無く、日本株の中で分散投資をする時は自然優待単元PFという結論になりました。100万程度の資金だとサンヨーナゴヤですら5株持ちにくいです。

やっすい時に単元買って放置というのが理想だと思います。
例えばコロワイドを今から買ったら阿呆かと言われそうですが、分割前から持っていたら大利益です。(最近500円台で買ったただの優待馬鹿ですが。)最近だとコシダカなどが顕著でしょうか(流石にこれは持っていませんが)

不利な部分も多いです。
・基本底値を狙うので逆張り傾向になりやすく外した時の損失は酷い。
・配当株、成長株に比べてキャピタルは狙いにくい。普通に日経平均のパフォーマンスに届きません。
・意識して利確できないと塩漬け発生しやすい。
・優待の廃止・変更で株価急落。
自分で書いてみましたが確かに「ドM」ですね。
ただ金券を中心に表面的な指数で買ってる素人の思考はこの程度と思っていただければ。

後、機関や大株主の皆様には
・よく分かりもしない素人がBLOGやマネー雑誌に釣られて株式市場にのこのこ来てくださった。
・クロス一般化しすぎたけど、株不足がひどくなってきたら逆日歩で稼がせていただきます。
位に考えておけば腹も立たないかと思います。
Posted by 貧乏投資家 at 2011年03月11日 07:22
先ほどの記述に1点付け加え。

この場合のハンターは当然企業側だとおもいます。
・優待新設して決算期通過した後に増資
・決算期通過した後に優待廃止の知らせとか
まあ、よくある話です。
優待というプレミアム部分の歪みを最大限に利用できるのは企業ということですね。

ただ、株価維持のために優待を出している企業はやめた瞬間に株価が下がるのを自覚しているのでやめるにやめられないモルヒネのようになっているところもあるのではないでしょうか。(ぴあとかが顕著だと思います)
Posted by 貧乏投資家 at 2011年03月11日 07:33
貧乏投資家さん、はじめまして。
おっしゃるとおりに「やっすい時に単元買って放置」を前提とするなら
>・基本底値を狙うので逆張り傾向になりやすく外した時の損失は酷い。

損失はほぼ無いという事になります。

>・配当株、成長株に比べてキャピタルは狙いにくい。普通に日経平均のパフォーマンスに届きません。

キャピタルを得ようとするのであれば、むしろ優待も配当も無い銘柄を狙うべきではないかと。
求めるものが違うのですから、不利も有利も無いと思います。

>・意識して利確できないと塩漬け発生しやすい。

上記2点と同じ理由で、利確も塩漬けも発生しません。

>後、機関や大株主の皆様には(中略)位に考えておけば腹も立たないかと思います。

私が機関や大株主に腹を立ててる記事だと読み取れましたでしょうか?
べつにそんなことは無いのですが・・・

>優待というプレミアム部分の歪みを最大限に利用できるのは企業ということですね。

開始と廃止を自由に決められるというのが大きいですね。
都合が良いときは続けて悪くなれば止めればよいのですから。

Posted by 管理人 at 2011年03月11日 09:48
この記事には非常に読み応えがあると思って読んでいました。
キーワードはまさに「歪み」ですよね。
株主優待という、やや市場原理から外れた方式には単純な株式相場には存在しない損得の構図があるように思います。
@得する人
優待権利落ちの損以上を優待により得ている人
企業・・・買収防衛策、時価総額の割増
A損する人
大株主・・・圧倒的な被害者
適正価格でもないのに情報に釣られて株を買って優待廃止などに巻き込まれた人。
(関門海などがいい例でしょう)

歪んでいる相場というのはもちろん投資家には好ましいものです。
どうやって利益を上げようか?と考えたときに思いつくのは、財務体質が弱いのに魅力的な優待を出している企業を空売りすることですよね。
優待で有名なコロワイドなどは空売りしたくてたまりませんが、私はあのチャートを見ると怖くてできません。

一方で株主優待を取ることで得をすることは可能だと思います。
イオンなどの時価総額が大きく比較的財務体質が安定していて割安な企業の株による優待は失うものより得るものが大きいと思います。

ということで歪みをうまく利用していきたいものですね。
Posted by サンゴ at 2013年01月01日 00:26
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