2010年11月12日

アイ・ティー・シーネットワーク

9422アイ・ティー・シーネットワークの今後10年間を配当中心に占ってみる。

携帯販社。関東・甲信越中心に全国展開。伊藤忠商事から分離。

事業部門別では「コンシューマ事業」が売り上げの87.3%、「法人事業」が12.7%。
代理店契約先は、ドコモ、KDDI、ソフトバンク、ウィルコム、イーモバイルといったキャリアはもちろん、
ヨドバシカメラ、ビックカメラ、ケーズデンキといったカメラ・家電量販店もある。
通信キャリア別販売台数は、ドコモ85%、au13%、ソフトバンク2%。
(ドコモの占める割合は、商品仕入高の79.6%、手数料収入の72.4%)
チャネル別販売台数は、ショップ47%、量販店44%、法人9%。
(キャリア別ショップ数は、ドコモ120店、au58店、ソフトバンク6店)
地域別販売台数は関東甲信越73%、その他27%。

1992年 伊藤忠商事がドコモショップ八王子店(全国ドコモショップ第一号店)をオープン
1997年 伊藤忠商事株式会社の業務受託会社として、東京都港区北青山に設立・創業
      全額出資子会社である東海ネットワーク株式会社を設立
2002年 伊藤忠商事株式会社より一次代理店としての地位を承継
      東海ネットワーク株式会社を吸収合併により統合
      全額出資子会社であるアイ・ティー・シーネットワークサービス株式会社を設立
2006年 東証ニ部上場
      アイ・ティー・シーネットワークサービス株式会社を吸収合併により統合
      株式会社イドムココミュニケーションズを全額出資子会社化
2007年 東証一部銘柄指定
      株式会社イドムココミュニケーションズを吸収合併により統合
      全額出資子会社である株式会社ITCNアシストを設立
2008年 ITCモバイル株式会社が、株式会社日立モバイルの移動体通信事業を会社分割により承継
      ITCモバイル株式会社を吸収合併により統合

利益。
2004年度からの売上高と営業利益と売上高営業利益率を並べてみる。2007年度までは連結決算。
155685(百万円)、176884、187213、167687、151733、129652、121495、予117000
3178(百万円)、3833、3646、4255、4768、5233、4993、予4700
2.04%、2.17%、1.95%、2.54%、3.14%、4.04%、4.11%、予4.02%
となる。
売上高は2006年度がピークで、その後は順調に減少中。
2008年度からは端末価格と通信費を分離した料金プランが導入されたので、更に大幅な減収に。
ドコモは2005年、KDDIは2008年が売上げのピークで、要は市場が飽和したのだろう。
が、営業利益は50億円付近で推移しており、そのため利益率は上昇している。

財務。
有利子負債は無し。現預金が約13.8億円。自己資本比率が44.0%。
昨年度に日立モバイルの事業承継で75億円ほど使ってるので、現預金は少なめになってる。
有価証券は、株式を約3億円保有してる。このうち約2億円分がマクロミル株なのだが、
携帯を利用したリサーチサービス「モバイルミル」を共同で提供してる関係なのか。
まぁ、特に問題もなく、余裕しゃくしゃくな財務状況。

配当政策。
以前は配当性向30%だったのだが、2007年度に記念配当込みで実質40%になり、
2008年度からは「配当性向40%超」が基本方針になった。
2004年度からの配当額と配当性向は
14.0625円、18.75円、16円、23.25記、26.5円、26.5円、26.5円、予26.5円
31.6%、30.6%、26.5%、41.4%、40.7%、46.1%、48.4%、予55.4%
となる。


普及期は過ぎて成熟産業になった携帯電話に、急成長は期待できない。
いわゆる「ガラパゴス」で海外進出も難しい。
そんな中、ITCネットワークとしては成長ドライバとして
・キャリア認定ショップ拡大のためのM&A
・法人営業の更なる強化
の2点を挙げてる。
M&Aでシェアアップを目指すのは当然。
法人事業の方は営業利益率13.9%と、コンシューマ事業の4.97%に比べて利益率が高いのが魅力。
どちらも成長プランとして納得なのだが、実現できるのかが問題。

売上高のうち手数料収入が39.3%、商品売上高が57.6%なのだが、
仕入れ実績のうち代理店手数料は17.5%、商品仕入高は82.5%。
つまり売上げの4割程度の手数料収入が、利益の大半を叩きだしてるわけだ。
しかも手数料収入の72.4%がドコモだという事も考え合わせると、
ドコモが手数料をいくらに設定するかで、ITCネットワークの業績は決まってしまう。
ドコモに首根っこを押さえられてる状態。

法人事業の売上げのうち手数料が49.3%を占める。コンシューマ事業では37.8%。
法人事業の方が手数料依存度が高いわけで、狙い通りに法人事業が伸びれば更に依存することになる。

M&Aについてはアパレルや外食の様な拡大も可能だろうが、他販社と商品は同じであり差別化が難しい事が難点。
つまり圧倒的に有利な状態になれないので、次々と飲み込んでいくようなM&Aも難しかろうと。
それに、ドコモにとっても圧倒的な存在にはしたくない筈。
力関係的には、複数で競争してる販社の方が不利であり、ドコモには有利。
となると、ドコモからみて「生かさず殺さず」な弱い立場に置かれるはず。
立場が弱いと前述の手数料も低く抑えられてしまう。

そう考えていくと、法人営業でもM&Aでもなく、実質的な成長の鍵は「脱・手数料収入依存」であり、
「脱・ドコモ依存」なのかなぁと思う。
似た様な地域で似た様な売上げ規模の9430NECモバイリングが、もうちょっと収益源が多様で、
もっと利益率が高いのを見ると、ITCネットワークには改善点がありそう。
だが、その改善が難しいのだろうな。事業基盤に関わる問題だから。


で、10年後の配当だが、現状維持の26.5円配当と思う。
26.5というのは半端なので、14+14=28円配当ぐらいにはなってるかもしれないが。
基本的にインフラ企業みたいなものでそれ程の成長力は無く、EPSも多めに見積もって70円ぐらいか。
これで配当性向40%で28円配当。この辺が上限。
収益の安定と財務の余裕を考えると、下限も限られて減配は無いだろうと思う。
親の伊藤忠商事が6割保有で、出せるのに出さないのは許さないだろうと期待してる。
はっきり言って上記のNECモバの方が優秀な銘柄だと思うが、配当利回りの高さでITCネットを選んだのだ。
これで減配なら泣くぞ(^^;


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posted by 冬葉ツトム at 17:51 | Comment(4) | TrackBack(0) | 保有銘柄 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
冬葉さん

こんばんわ。

お一つ質問させて頂きたいのですが、

ダイコク電機の配当は7%程になっているのですが、
冬葉さん的にはどうでしょうか?

結構気になっています。
Posted by 24歳FX挑戦中 at 2010年11月12日 18:16
この業界は、携帯事業者が儲かっているからその下流も儲かっていると言う感じですね(ITCしかり、ベルパークしかり、NECモバイリングしかり、沖縄セルラーも?でしょうか、どこも尋常ならぬ高収益ですね)。

携帯事業者が儲かっている限りは、そこまで絞め付けはきつくないのでしょうが、成長後はコスト圧縮で利益増を捻出し始めるので、そうしたら下請けは絞られてしまいますね。世の常ではありますが。。若干不安です。でも、おいしそうなんですよねぇ…。

何かしら対抗策があれば良いんですけけど、、例えば「そんな低いコミッションじゃ他社の携帯売らざるをえない!」とか?ですかね。
Posted by kyorosukeke at 2010年11月12日 18:34
24歳FX挑戦中さん、こんにちは。

ダイコク電機ですが、会社予想でも四季報予想でも、
今期の配当は40円に減配となってます。
それでも4.4%ぐらいありますから、悪くはないと思いますが。
Posted by 管理人 at 2010年11月13日 02:16
kyorosukekeさん、こんにちは。
たしかにそのうち日産の下請けみたいに絞られそうですね。
でもまだ業界全体で縮小まではしないだろうと楽観視してます。
これが「若者のケータイ離れ」なんて話題が出るようになったら
ヤバイかもしれませんが。

「他社携帯を売るぞ!」と言えるぐらいの強い立場なら、
そんな事は言わなくても良いわけで(^^;
Posted by 管理人 at 2010年11月13日 02:25
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