2010年11月05日

エーアイテイー

9381エーアイテイーの今後10年間を配当中心に占ってみる。

独立系複合一貫輸送業者。中国からの衣料輸入に強い。通関業務にも進出。

2011年度第2四半期では、全売上高に対して海上輸送が65.5%、航空輸送が4.25%、通関が12.4%、
子会社での売上げが16.1%。
所在地別では日本が87.3%、中国・香港が12.3%、東南アジアが0.3%。
海上輸送のうち輸入が95%、輸出が5%。円高の影響もあって殆んどが輸入業務になってる。

1988年 雑貨輸入を目的として大阪府和泉市に株式会社スバルを設立
1995年 株式会社エーアイテイーに商号変更
1995年 国際貨物輸送事業を開始
1995年 上海に駐在員事務所開設
1996年 香港に愛特(香港)有限公司設立
1997年 東京営業所開設
2000年 大阪税関長より通関業許可取得
2003年 上海に上海愛意特商務諮詢有限公司(現上海愛意特国際物流有限公司)設立 
2005年 上海に合弁会社上海愛意特物流有限公司設立
2006年 バンコクに合弁会社 AIT LOGISTICS (THAILAND) LIMITED 設立 
2007年 東京証券取引所マザーズ市場に上場
2007年 ホーチミン市にベトナム駐在員事務所開設 
2009年 (株)AITソリューションズ設立  

利益。
2003年度からの売上高と売上高経常利益率を並べると
2278(百万円)、2955、4642、5339、7268、8974、10006、10113、予13522
3.87%、5.57%、4.42%、4.83%、6.11%、6.43%、6.03%、8.11%、予6.91%
となる。
順調に拡大してきたが昨年度はさすがに鈍化してる。が、その分利益率が上がってる
利益率の高い通関が伸びたおかげらしい。今年度も第2四半期までは7.88%の経常利益率で進捗してる。
売上げも再び大幅増収路線に復帰できそうだし、ここまでは順風満帆な雰囲気。

財務。
有利子負債は約4000万円。現預金が約13.3億円。自己資本比率が64.8%。
有価証券は、韓国産業銀行円貨債券が約1億円、ユーロ円債が約2億円。
その他には子会社の株が24億円ほど。
堅い財務だと思う。

配当政策。
基本方針は「安定的且つ継続的な配当」。
中期数値目標として「配当性向30%」を掲げていて、2009年度から既に達成してる。
2003年度からの配当額と配当性向は
2.5円、2.5、2.5、2.5、12.5、17.5、22.5、32.5、予37.0
12.1%、7.6、9.1、7.6、22.6、26.1、30.0、32.7、予31.0
上場前はさすがに低還元だが、上場後は着実に増配を続けてる。

大株主は経営陣と金融機関が殆んど。
社長が筆頭株主で47%も保有してる。社長の受け取る配当額は37円配当で年間4300万円近い。
これで増配意欲が湧かない方が可笑しい。


今後の成長戦略も意欲的だ。
主力である海上輸送で、2011年度のコンテナ本数計画値13万3400本を2014年度には30万本へ増やすという。
年間増加率+31%。
航空貨物も2011年度の売上高5.85億円を2014年度に15億円へ年間増加率+37%、取扱重量も3100トンから5000トンへ+17%。
通関も2011年度の受注件数31750件を2014年度に70000件へ+30%、全売上高に占める割合も14.7%から20%へ。
この戦略を実現する方策は単純で、営業人員を2011年度の54名から2014年度には100名にする。
拍子抜けするほど当たり前だが、だからこそ実現の可能性があるかもしれない。
碌に根拠も無いような夢物語を示されなくて良かった。

この他に事業戦略として「上海のCFS倉庫自社運営化計画」とある。
これは小口の荷物を捌いてコンテナに詰め込む作業を、今までは他社に委託していたのを自前でやろうという事。
ちょっと考え過ぎかもしれないが、もし「運輸業」から「倉庫業」へ若干のシフトを目指してるのだとすると、
初期コストが嵩んで利益率が下がるかもしれない。
倉庫を保有するようになると、今までのようなほぼ無借金という訳にもいかないだろう。


で、10年後の配当だ。
AITは2013年度に売上高200億円を目指してる。伸び代だけを見ると可能性はあると思う。
ただしこれは上限であって、全てが順調に進んだ場合。
これで利益率が7%として経常利益14億円。その6割が純利益として8.4億円。
EPSが171円。配当性向が30%として51円配当。
何度も言うがこれが上限であって、例えば原油価格上昇などの下押し要因があればもっと少なくなる。
以上は2013年度の配当の話。
これが10年後となると、占うのも難しい。予想は無理だ。
成長真っ盛りの企業であり、どうなってるやら見当もつかない。

基本的にAITの事業は、荷物を右から左へ流して儲ける事業だ。
自前で倉庫や船や航空機を持ってる訳でもないので、収支均衡の水準も低いはず。
有価証券も殆んど保有してないので、減損も無いはず。
失うものが少ないので、余程の事が無い限り赤字転落までの悪化は考え難い。
となると、無配は無さそう。
本当に大雑把な話だが、10年後に30〜100円配当って雰囲気かなぁ・・・
適当過ぎて、自分でも信じられないが(汗)


さて、リスクは色々ありそうだが、最も大きいのは「中国から日本への輸入」に集中し過ぎてる事ではないか。
若い人にはデフレが当たり前で値段は下がるものという感覚だろうが、
私が子供の頃は物価は上がるのが当たり前だった。
昔の日本と同様に、既に新興国はインフレに悩んでる。
生産地の物価が上がって、消費地の物価が下がる。これではいずれ行き詰まる。

ファーストリテイリング(ユニクロ)だって、ヒートテックの中国生産比率(現在8割)を
2015年までに5割に引き下げる方針だという。
人件費の高騰が痛いらしい。
残りの2割をベトナム、バングラデシュ、フィリピンでつくってるが、
さらにタイやインドネシアなどにも拠点を広げる方針。
AITも中→日貿易だけに依存せず、中国国内の物流を担う会社になれなければ、大きな成長は望めない。


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posted by 冬葉ツトム at 17:12 | Comment(2) | TrackBack(0) | 保有銘柄 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
初めまして<m(__)m>。

自分はFXのスワップ運用がメインですが、
企業分析、配当金に関する論理的な視点が非常に参考になりましたし、その資産状況にも驚きました。

今後とも、勉強させて頂きます<m(__)m>。

24歳FX挑戦中


Posted by 24歳FX挑戦中 at 2010年11月11日 15:52
24歳FX挑戦中さん、はじめまして。

CADのショートポジをお持ちなんですね。
以前から気になってる通貨なんですが、米加経済の結びつきを考えると、
CADを売るならUSDを売っても同じかなぁと考えちゃいます。
USDの方がマイナススワップも少ないですし。
でも、反対隣のメキシコペソはロングしてるし。
自分でも良く解らないポジ相関になってます(笑)

あまり勉強になるところは無いと思いますが、よろしくお願いします。
Posted by 管理人 at 2010年11月11日 21:26
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